70代の高齢者がテーブルで「今困っていること」のチェックリストにペンで一つを書き留めている様子を描いた画像

「身寄りがないので、困った時に誰へ相談すればいいのか分からない」と悩む方もいます。

役所や地域包括支援センター、社会福祉協議会という名前を聞いたことがあっても、自分の悩みをどこへ相談すればいいのか判断しにくいものです。

身寄りがない状況は、親族がまったくいない場合だけではありません。

親族と長く疎遠になっていたり、家族が遠方に住んでいてすぐ頼れなかったりすることもあります。

身寄りのない高齢者の相談窓口は、生活や介護、入院、施設への入居、日常の手続きなど、今困っている内容によって変わります。

まずは自分が何に困っているのかを考えながら、相談先を確認していきます。

身寄りのない高齢者は困っている内容から相談窓口を決める

70代の高齢者が生活・入院・手続きなどの項目が書かれた簡易リストを前に、項目に付箋を貼って比較している様子を示す画像
【身寄りのない高齢者が、生活や入院、手続きなど今の困りごとを項目ごとに整理して相談先を決める意識を持つことを示しています。】

相談窓口を探す時は、「一番正しい窓口はどこか」と最初から決める必要はありません。

まず今一番困っていることを考えます。

次に、生活や介護なのか、入院や施設なのかを確認してください。

手続きで困っている場合は、その内容から相談先を考えると分かりやすいです。

どこへ電話するかだけで悩み続けるより、「今は何が困っているのか」を伝えることが最初の一歩になります。

生活や介護について相談したい時

一人暮らしを続けていると、これまでは自分でできていたことが少し負担になる時があります。

例えば、買い物や通院、掃除や洗濯などです。

本人はまだ介護が必要だと思っていなくても、「このまま一人で生活を続けられるだろうか」と将来について気になることもあるでしょう。

また遠方に住む家族が電話をした時、以前より話がかみ合いにくいと感じる場合もあります。

電話で家の中の様子を聞いた時に、親が以前のようにうまく説明できないと感じる家族もいるでしょう。

生活や介護について何から相談すればいいのか分からない時は、地域包括支援センターや自治体の高齢者福祉の窓口が相談先になります。

福祉や日常生活について相談したい時

生活を続ける中では、書類の手続きを一人で進めにくくなる時があります。

日常のお金の管理が負担になる方もいます。

また、親族へ頼みにくく、「こういうことまで役所へ聞いていいのだろうか」と迷うこともあるでしょう。

福祉や日常生活について相談したい場合は、社会福祉協議会や自治体の福祉窓口が相談先の一つです。

社会福祉協議会では地域の福祉に関する相談を受けており、相談内容によって必要な制度や支援につながることがあります。

ただし、どのような支援を利用できるかは本人の状況によって変わります。

日常生活自立支援事業など特定の制度については、相談した後に必要だと分かってから別で確認します。

必要だと分かった制度だけを確認した方が、支援内容を把握しやすいです。

日常生活自立支援事業について確認したい場合は、身寄りのない高齢者が利用できる日常生活自立支援事業についての記事も参考にできます。

身寄りがない高齢者の相談先を今の状況から確認

70代の女性が「入院」「施設」「地域相談」と書かれた抽象的な封筒を前に、どの封筒に付箋を貼るかを決めている画像
【身寄りのない高齢者が、すでに起きている出来事(入院や施設関係など)に応じてまず相談すべき窓口を整理する視点を示しています。】

身寄りのない高齢者の相談先は、すでに何か出来事が起きているかどうかでも変わります。

入院している時や施設への入居を考えている時は、病院や施設とすでに関わっていることがあります。

病院や施設と関わっているなら、最初はその担当者へ相談すると話が進みやすいです。

一方で、まだ具体的な出来事は起きておらず、これからの生活について相談したい段階なら地域の相談窓口から相談できます。

どの窓口へ連絡すべきか判断する時は、今困っていることを基準に考えると分かりやすくなります。

例えば、今困っているのが入院のことなのか、施設への入居のことなのかを整理すると、相談先を選びやすくなります。

日常の手続きで困っている時は、その困りごとに合う相談先を確認するといいでしょう。

すでに入院して困っている時

入院すると、緊急時の連絡先や退院後の生活について病院から確認されることがあります。

その時に頼れる親族がいないと、「誰の名前を伝えればいいのか」「退院後のことを誰へ相談したらいいのか」と困る方もいます。

入院している本人や家族は、一人で別の相談窓口を探す必要はありません。

まずは病院内の相談担当者へ、身寄りの状況を伝えてください。

その担当者の呼び方は医療機関により異なりますが、医療や退院後の生活について相談を受ける人がいる場合があります。

病院の相談窓口や入院窓口で確認してください。

本人から説明しにくい場合は、家族や親族から病院へ相談できるか確認することもできます。

入院時の保証人や支援について詳しく確認したい場合は、身寄りのない高齢者が入院する時の支援と相談先で確認できます。

施設への入居について相談したい時

自宅での生活が難しくなり、介護施設などへの入居を考え始める時にも身寄りについて気になることがあります。

施設から家族や親族について聞かれた時に、頼める人がいないことをどう伝えればいいか迷うこともあるでしょう。

すでに相談している施設があるなら、まず施設の担当者へ本人や親族の状況を伝えることが大事です。

施設によって必要な手続きや対応は違います。

施設の担当者に、身元保証や緊急時の連絡で何を求められているのかを確認してください。

まだ入居する施設が決まっていない場合は、地域包括支援センターや自治体の高齢者相談窓口から相談する方法があります。

身寄りがない方の施設入所について詳しく確認したい時は、身寄りのない高齢者が施設へ入所する時の支援と相談先もあわせて確認できます。

手続きや日常生活を一人で進めにくくなった時

年齢を重ねると、役所から届いた書類を読むことが負担になる時があります。

複数の手続きを同時に進めるのが難しいと感じる方もいます。

認知症の診断を受けていなくても、「最近は書類の内容を確認するのが大変になった」と感じることもあるでしょう。

そのような時は、社会福祉協議会や地域の福祉相談窓口へ現在の状況を伝える方法があります。

本人がどの位自分で判断できるのかにより、考えられる支援は変わります。

成年後見制度や日常生活自立支援事業などの名前だけを見て、自分で利用する制度を決める必要はありません。

まず困っている内容を相談し、必要な支援が分かってから制度について確認する方が進めやすくなります。

どこへ相談するか分からない時は地域の高齢者相談窓口から

70代の高齢者と支援者が自治体の窓口カウンターで、本人の今気になることを書いた短いメモを受け渡している様子の画像
【どこへ相談すればよいか分からない時は、まず住んでいる地域の窓口へ今気になることを伝えることが有効である点を示しています。】

生活や介護だけでなく、医療や家族との関係まで悩みが重なることがあります。

悩みがいくつも重なると、自分でも何を相談したいのか分からなくなることもあるでしょう。

何から相談するか決まっていなくても、一つひとつの制度を自分で調べてから相談先を決める必要はありません。

まず住んでいる地域の高齢者相談窓口へ、今気になっていることから伝えてみてください。

相談する時は、今気になっていることや家族の状況から話せば大丈夫です。

関わっている病院や施設があれば、そのことも伝えると担当者が相談先や必要な支援を考えやすくなります。

地域包括支援センターへ相談する

地域包括支援センターは、高齢者の生活や介護などについて総合的な相談を受ける窓口です。

「まだ介護サービスを使っていないから相談できない」と考える必要はありません。

例えば、一人暮らしを続けることが気になっている時にも相談できます。

家族が遠方にいて今後の支援体制を考えたい時も、相談の対象です。

本人が何に困っているかをうまく説明できない場合でも、現在の生活や家族の状況から話せます。

相談内容によっては、自治体や社会福祉協議会へつながることもあるでしょう。

また、医療機関やケアマネジャーなど、必要な専門職や窓口につながる場合もあります。

自治体の高齢者福祉窓口へ確認する

地域包括支援センターの場所が分からない時は、市区町村の役所へ電話して高齢者の相談窓口を確認する方法があります。

自治体によって担当する課やセンターの名称、相談体制は違います。

電話では「身寄りがなく、生活について相談したい」「高齢の親のことで相談できる窓口を知りたい」と伝えると、担当先を確認しやすくなります。

どの制度を利用したいのかまで決まっていなくても、現在困っている内容を伝えるところから始められます。

身寄りのない高齢者が利用できる支援を全体から確認したい場合は、身寄りのない高齢者の支援制度もあわせて確認できます。

本人だけでなく家族や周囲から相談したい時

50代の娘がテーブルで親の住所や最近の様子を書いたメモを見ながら電話で相談窓口に説明している場面を描いた画像
【遠方の家族や周囲の人が本人の住所や最近の変化を整理して相談窓口へ伝えると話が進みやすいことを示しています。】

相談するのは高齢者本人だけとは限りません。

本人は「まだ大丈夫」と感じていても、遠方にいる家族が電話や訪問をした時に生活の変化へ気づくことがあります。

本人だけで相談窓口へ連絡することが難しい時は、家族など周囲の人から相談できるか確認することもできます。

家族や周囲が相談する時は、本人の住所や日常の様子を伝えると話を進めやすくなります。

最近気になった変化も、分かる範囲で伝えておきます。

遠方の家族から相談したい時

親が一人暮らしをしていて、子どもが県外など遠方に住んでいることがあります。

そのような状況では、何かあった時にすぐ現地へ行けるか心配になることもあるでしょう。

体調の変化や入院が重なると、家族だけで対応するのが難しくなる時があります。

介護サービスの利用や施設への入居が重なった時も、家族だけでは対応しにくくなるでしょう。

遠方から相談する場合は、親本人の住所や現在の生活状況を伝えます。

最近気になった変化についても、分かる範囲で伝えておくと説明しやすいです。

「毎日連絡は取れる」「月に一度は訪問できる」「緊急時にすぐ行くことは難しい」など、家族が実際に対応できる範囲も伝えておくと状況を把握してもらいやすくなります。

本人が困りごとをうまく説明できない時

高齢になると、相談したいことが複数出てくる時があります。

その内容を一度に説明するのは難しいこともあるでしょう。

そのため、相談前に全部をきれいにまとめようとしなくても大丈夫です。

「最近一人で買い物へ行くのが大変になった」「病院から家族について聞かれた」「書類が届いたが内容が分からない」など、起きたことから伝えます。

相談窓口へ連絡する前に確認しておきたいこと

70代の高齢者が「今一番困っていること」や家族の対応可能範囲を書いた簡易チェックリストにチェックを入れている画像
【相談前に今一番困っていることや家族の対応可能範囲、関わっている医療機関などを確認しておくと相談がスムーズになることを示しています。】

相談前に難しい資料を作る必要はありません。

本人が現在困っていることや家族の状況を少し確認しておくと、電話や窓口で話しやすくなります。

本人の生活や親族との関係が分かると、相談窓口の担当者もどの支援につなげるか考えやすいです。

今一番困っていることを一つ確認する

まず現在一番気になっていることを考えます。

生活や介護なのか、入院や施設入居なのかを整理してください。

手続きで困っている時は、そのことを最初に伝えます。

複数の悩みがあっても、最初から全部説明しようとしなくても構いません。

「まずは入院後の生活について相談したい」など、一番困っていることから伝えると話を始めやすくなります。

家族や親族へ頼める範囲を確認する

身寄りがないと伝える時は、実際の家族や親族との関係も確認しておきます。

親族がまったくいない方もいれば、親族はいるものの長く疎遠になっている方もいます。

また連絡は取れても、高齢や遠方を理由に手続きや緊急時の対応までは頼めないことがあります。

この違いを伝えておくと、相談窓口の担当者もどの部分で支援が必要か考えやすくなります。

病院や施設など現在関わっている先を確認する

現在通っている医療機関や利用している介護サービスがあれば確認しておきます。

相談している施設がある場合も、あわせて確認しておくと話しやすくなります。

本人がケアマネジャーなど専門職とすでに関わっている場合も、相談時に伝えておくといいでしょう。

必要に応じて、相談窓口と現在関わっている人や機関が連携して支援を考えることもあります。

最初の相談窓口だけですべて対応するとは限らない

地域の相談員が高齢者に対して、色分けされた簡単なフローチャート(抽象表現)を示しながら説明している場面の画像
【最初の窓口がすべてを対応するわけではなく、相談内容に応じて別の専門機関へつながることがある点を説明しています。】

最初に相談した窓口が、すべての手続きや支援を行うとは限りません。

地域包括支援センターや社会福祉協議会には、それぞれ役割があります。

自治体や病院、施設も担当する内容はそれぞれ違います。

相談した内容によって、別の専門機関や事業者について案内されることもあります。

相談先が変わったからといって、最初の相談が無駄になるわけではありません。

現在の状況を話すことで、次に相談する窓口が分かることもあります。

必要な支援に合わせて別の窓口を確認する

生活について相談した後に介護の支援が必要だと分かることもあれば、医療や施設について別の相談先が必要になる場合もあります。

本人の判断する力が低下している場合には、金銭管理や契約について専門家へ確認する話が出ることもあるでしょう。

一つの窓口ですべてを解決しようとせず、その時に必要な相談先を一つずつ確認していくことが大事です。

身元保証や契約が必要なら別で考える

入院や施設入居について相談した結果、緊急時の対応や身元保証について確認が必要になることがあります。

身元保証などが必要だと分かっても、相談窓口へ連絡した段階で民間サービスとの契約を決める必要はありません。

どこまで家族や親族が対応できるのか、病院や施設で何を求められているのかを先に確認してください。

そのうえで民間の支援が必要だと分かった時は、対応内容や費用を確認してから必要かどうかを判断します。

終活や死後の手続きについても同じで、今回の相談内容と直接関係しない段階で全部を決める必要はありません。

身寄りのない高齢者の支援制度も確認したい時

70代の高齢者が支援制度に関する概要を示す抽象的なパンフレットを支援者と一緒に見ながら説明を受けている画像
【まずは現在の困りごとに合った窓口へ相談し、必要に応じて支援制度の確認へ進む流れを示しています。】

相談先を調べていると、入院や施設への入居に加えて今後の日常生活や死後の手続きまで気になることがあります。

今回の記事ですべての制度を一度に確認すると、自分が今どこへ相談するのか分かりにくくなります。

まず現在の困りごとに合った窓口へ相談すると、その後に確認する支援も分かってきます。

公的な支援や生活に関わる制度などを全体から確認したい場合は、身寄りのない高齢者の支援制度をご確認ください。

よくある質問

70代の高齢者がFAQ風の小さなメモを開いて、一つの項目にペンでマークしている場面を描いた画像
【「地域包括支援センターに相談できるか」「介護が必要でなくても相談できるか」など、よくある質問を整理して窓口に伝える準備の大切さを示しています。】

身寄りがなくても地域包括支援センターへ相談できる?

身寄りがないことだけを理由に、地域包括支援センターへの相談をためらう必要はありません。

一人暮らしのことや高齢になってからの生活について相談できます。

介護や家族との関係など、現在気になっていることも相談の対象です

自分の相談内容が地域包括支援センターで対応する内容か分からない場合も、まず事情を伝えて確認する方法があります。

まだ介護が必要でなくても相談していい?

介護サービスを利用する段階になっていなくても、今後の生活について気になることがあれば相談できます。

例えば、一人暮らしを続けたいものの体力が落ちてきた時です。

家族が遠方にいて将来の対応が心配な時も、相談の対象です。

地域包括支援センターは、早く契約や利用を決めるためではなく、現在の状況を伝えて今後どこへ相談できるか確認したい時にも利用できます。

家族や親族から相談してもいい?

本人の生活を心配している家族や親族が、地域の窓口へ相談できるか確認できます。

特に遠方家族の場合は、本人の住所や現在の生活状況を伝えると話が進みやすいです。

実際にどこまで対応できるかも一緒に伝えておくと、本人が対応する範囲と家族が関わる範囲を考えやすくなります。

相談したら民間サービスを契約しないといけない?

相談したことと、民間サービスを契約することは別で考えます。

相談した結果、生活支援や身元保証など民間事業者の支援を検討することはあります。

民間事業者の支援を検討する時は、まず支援内容や費用を確認してください。

契約条件まで確認した後で、自分に必要か考えます。

まとめ|今困っていることから相談窓口を決める

70代の高齢者がチェックリストで一つの項目に丸を付け、窓口へ連絡する予定を書き込んでいる画像
【記事のまとめとして、現在の一番の困りごとを基準に相談先を決め、次の行動(窓口への連絡)を予定に落とし込むことの重要性を示しています。】

身寄りのない高齢者の相談窓口は、一つに決まっているわけではありません。

生活や介護なのか、入院や施設入居なのかによって最初の相談先は変わります。

手続きで困っている場合も、今一番困っている内容から相談先を考えます。

何を相談したらいいのか自分でも分からない時は、地域包括支援センターや自治体の高齢者相談窓口へ今の状況から話す方法があります。

すでに病院や施設と関わっている場合は、その場所の相談担当者へ身寄りや家族の状況を伝えるところから始めることもできます。

相談する前には、今困っていることや家族・親族へ頼める範囲を確認しておきます。

現在関わっている医療機関や施設なども確認しておくと、話しやすくなります。

身寄りがない時の相談前チェックシートを無料で受け取れます

70代の高齢者がテーブルで相談前チェックシートに記入しており、横にメッセージ送信用のスマホが置かれている画像
【窓口へ相談する前に使えるチェックシートをプレゼント】

相談窓口が分かっても、「電話で何から話せばいいのか」と迷う時があります。

身寄りのことに加えて、生活や入院についても気になることが出てきます。

施設や家族との関係まで重なっていると、どこから伝えればいいのか迷うこともあるでしょう。

そのような時に使えるよう、相談前に確認しておきたい内容をまとめた「身寄りがない時の相談前チェックシート」を用意しています。

今困っていることや家族へ頼める範囲を、分かるところから確認できます。

そのほか、現在関わっている病院や施設についても確認できる内容です。

全部を埋める必要はなく、今分かっている内容だけを書き出して使えます。

相談前に手元で確認しておけば、窓口で現在の状況を伝える時に使いやすいです。

家族と今後について話す時にも役立つでしょう。

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