民生委員が一人暮らしの高齢者から通帳と現金の預かりを頼まれ、内容を確認しながらメモを取る様子の画像

一人暮らしの高齢者を訪問した時に、「通帳を預かってほしい」「この現金で公共料金を払ってきてほしい」と頼まれることがあります。

その場でどう答えればいいのか迷うこともあります。

頼れる家族が近くにいない時は、「自分が対応しなければ」と思うことがあります。

近くに頼れる家族がいないと、この人の生活が止まってしまうのではと心配になるためです。

すでに買い物代を何度か預かっていて「このまま続けてもいいのだろうか」と不安に感じることもあります。

民生委員として生活相談を受けることと、本人のお金や通帳を継続して管理することは同じではありません。

この記事では、頼まれた直後に何から確かめればいいのかを順番に考えていきます。

その後、誰に相談してどこへ引き継ぐのかも確認します。

民生委員が金銭管理を頼まれた時はその場で引き受けない

民生委員がその場で金銭管理を引き受けないようにし、頼まれた内容と期間を尋ねてメモする場面の画像
【民生委員はその場で個人的に引き受けないことを伝え、通帳の保管か一時的な支払いかなど依頼内容と期間を具体的に確認して所属組織へ相談することを示しています。】

高齢者からお金や通帳について頼まれた時は、まずはその場で個人的に引き受けないようにしてください。

次に、本人が具体的に何を求めているのかを聞きます。

「お金を管理してほしい」という言葉だけでは、何を頼まれているのか分かりません。

通帳の保管なのか、それとも現金の一時預かりや買い物・公共料金の支払いなのかを確認してください。

内容と期間が違えば、その後に必要な対応やつなぎ先も変わります。

頼まれた内容を確認したうえで、所属組織へ相談して今後の対応を決めてください。

通帳や現金を預かってほしいと言われた時

「なくしたら困る」「家に置くのが不安」といった理由で通帳や現金を差し出される場面があります。

保管だけのつもりでも、その後に支払いや出金まで頼まれることがあります。

通帳や印鑑、キャッシュカードまでまとめて渡されそうな場合は事情を確認してください。

その場で継続して預かる約束はしないでください。

まず理由を聞き、銀行へ行けないなど何に困っているのかを確認します。

通帳を預かると、入出金の扱いや家族との認識に違いが出ることがあります。

預かっている間の扱い方や今後誰が管理するのかは、本人の希望を確認してください。

確認した内容をもとに、所属組織へ相談します。

支払いや買い物のお金を渡された時

「この現金で電気代を払ってきてほしい」「買い物へ行けないから食料を買ってきてほしい」と頼まれた時は、今回だけの依頼なのか、今後も続くのかを確認します。

体調不良などでその日だけ頼まれているのかを確認してください。

毎週や毎月のように繰り返しているのかも聞いておきます。

依頼の頻度によって対応が変わるため、頼むようになった事情も確認します。

すでに何度か預かっている場合は、いつからどの程度の頻度で対応してきたかを書き出してください。

書き出した内容を所属組織へ伝え、今後の対応について話し合います。

民生委員がお金を管理する時は一人で判断しない

民生委員が依頼内容と記録を持ち、所属組織へ相談するために連絡を取ろうとしている画像
【依頼の内容・期間・緊急性を確認したら、民生委員は所属協議会などへ相談して判断を仰ぎ、必要な記録を残して共有することが重要であることを示しています。】

民生委員がお金を管理するよう頼まれた時は、「本人が了承しているから」「少額だから」といった単純な理由だけで個人で判断してはいけません。

依頼の内容・期間・緊急性を確認したら、所属する民生委員児童委員協議会などへ相談してください。

市町村の福祉担当・地域包括支援センター・社会福祉協議会などと連携することも多いです。

連携が必要になった時に経緯を伝えられるよう、必要な記録を残して共有します。

何をどれくらいの期間頼まれているか確認する

現金をその日だけ預かってほしいのか、通帳の継続保管や毎月の支払いまで任せたいのかを具体的に聞きます。

買い物の頻度やすでに預かった金額も確認してください。

保管場所も確認しておくと、所属組織へ状況を伝えやすくなります。

本人の生活で何が止まりそうなのか確認する

「今日対応しないと本人の生活にどのような影響が出るか」を確認します。

食料や薬を確保できるか、支払い期限が迫っているかなども確認しておきます。

緊急性によって、当日の支援方法や相談の急ぎ方も変わります。

急ぎの対応が必要なのか、継続した支援が必要なのかを別で考えると、今することと次に相談する相手を決めやすくなります。

民生委員がお金を預かる必要が出た時の確認事項

民生委員が別の委員と一緒に受け取った現金や領収書を確認して記録する画像
【やむを得ず民生委員が金銭を取り扱う場合でも一人で判断せず、他の委員と共有して金額・用途・日付を記録し、領収書やレシートを残して経緯を明確にする必要があることを示しています。】

民生委員がお金を預かることは通常の職務ではないため、緊急で対応が必要な時でも民生委員個人の善意だけで進めないようにしてください。

やむを得ず金銭を取り扱う場合は、複数で確認しましょう。

金額や受け渡し、領収書なども記録して共有しておきます。

やむを得ず対応する時は複数で確認する

急ぎの事情があり金銭を取り扱う必要が出た場合でも、一人で受け取りや判断をしないでください。

所属する協議会のほかの委員や関係者と共有したうえで判断します。

共有する際は、支払い期限や外出できない状況など「今起きている事実」を具体的に伝えます。

すでに受け取ってしまった場合は「いつ・いくら・何のために預かったか」を報告してください。

地域や組織によって確認方法は異なるため、活動ルールは所属先で確認しましょう。

金額・領収書・受け渡しを記録する

現金を取り扱う際は、受け取った金額・用途・日付を記録します。

領収書やレシート、返金額なども残しておくと後から確認しやすいです。

記録を所属組織と共有しておけば、後からでも対応の経緯を確認できます。

記録が残っていれば、後から確認が必要になった時にも経緯を説明しやすくなります。

まとまった金額を預かる時や通帳からの出金まで頼まれた時は、その場で出金せず協議会などへ報告・相談してください。

民生委員の金銭取り扱いを継続的な管理にしない

民生委員が継続的な通帳管理ではなく関係機関へつなぐ必要性を説明している画像
【一度の買い物支援と毎月の通帳管理は別であり、繰り返し頼まれる場合は民生委員個人で継続管理するのではなく関係機関へ相談・引き継ぐことを示しています。】

一度の買い物支援と毎月の通帳管理は別で考えます。

繰り返し頼まれるようであれば、民生委員個人が継続的に管理する段階ではありません。

繰り返し頼まれるようになった時は、関係機関への相談も検討してください。

善意で続けているうちに、本人から民生委員への依頼が続きやすくなることもあります。

その結果、必要な支援先へ相談する時期が遅れやすくなります。

所属組織へ相談し、どの関係機関へつなぐのかを決めてください。

毎月の支払いや通帳管理を頼まれるなら支援先を確認する

毎月の公共料金や年金の受け取りに伴う現金管理、通帳の継続保管などを頼まれる時は、一時的な援助とは別で考えます。

社会福祉協議会や地域包括支援センターなどへ相談するか、所属組織と話し合ってください。

民生委員自身で利用できる制度を決めず、本人の状況を伝えて相談できる窓口へつなぎます。

本人の判断や契約まで必要なら別の支援を考える

支払い代行を超えて契約や財産管理の判断が必要な場合は、民生委員の対応範囲を超えています。

成年後見制度など専門的な支援が必要になることもあるため、専門機関へつないでください。

民生委員は、本人が今何に困っているのかを確認し、必要に応じて専門家へつなぎます。

どの制度が必要かは専門機関の判断に委ねます。

すでに高齢者のお金を預かっている時も一度確認する

民生委員がこれまで預かってきた現金や通帳の扱いを時系列で書き出して確認している画像
【これまで何を預かり、どの程度の頻度で対応してきたかを時系列で整理し、所属組織へ状況を伝えて今後の対応を決めることの重要性を示しています。】

これまで何度か現金や通帳を預かっていて不安を感じているなら、まず現在の預かり内容や対応頻度を確認してください。

確認した内容をもとに、所属組織へ状況を伝えます。

過去の対応を責める必要はありません。

「いつから何をしてきたか」を伝え、今後どうするかを所属組織と考えます。

これまで何を預かり何をしてきたか確認する

現金・通帳・買い物や支払いの代行などを時系列で書き出してください。

これまで何をしてきたのかが分かるように書いておくと確認しやすいです。

分かる範囲で書き出して所属組織へ伝えると、次に誰が何をするのか確認しやすくなります。

今後も続ける前に所属する組織へ相談する

「今までこうしてきたが継続的な管理になっていないか確認したい」と所属する民児協などへ相談してください。

必要なら、返却の方法や関係機関への引き継ぎ方も所属組織と決めます。

金銭管理を断る時も高齢者との相談を終わらせない

民生委員が金銭管理を引き受けられないと伝えた後に、高齢者の困りごとを聞き次の相談先を一緒に決めている画像
【金銭管理を断る場合でも本人が何に困っているかを丁寧に聞き、支払い忘れや銀行へ行けないなどの事情に応じた相談先へつなぐまで支援が続くべきことを示しています。】

金銭管理そのものを引き受けられない場合でも、相談をそこで終わらせないようにしてください。

本人がなぜ預けたいのかを聞き、生活上の困りごとに合う相談先へつなげます。

お金ではなく困っている生活場面を聞く

「通帳は預かれません」とだけ伝えると、本人が次に誰へ相談すればいいのか分からなくなることがあります。

支払いを忘れる、銀行へ行けないといった困りごとを聞きます。

あわせて、家族に頼れない事情があるかも確認しておくと、相談先を考えやすくなります。

本人が何に困っているのかを改めて聞きます。

何に困っているのかが分かれば、次の相談先へ本人の状況を伝えやすいです。

誰へつなぐか決めてから引き継ぐ

相談先を伝えた後は、本人が次に誰へ連絡するのかまで確認します。

民生委員から連絡するのかも決めておくと、引き継ぎが進めやすくなります。

引き継ぐ際は、困りごとがいつ頃から始まったのかを伝えてください。

急ぎの対応が必要かどうかも伝えておきます。

民生委員がこれまで何をしたのかも伝えると、次の担当者が状況を把握しやすくなります。

金銭管理以外にも複数の困りごとがある場合は、以下の記事も参考にしてください。

相談全体のつなぎ方も分かる内容です。

民生委員が身寄りのない高齢者から相談を受けた時のつなぎ方はこちら

民生委員が金銭管理を頼まれたら個人で抱えず組織と関係機関へつなぐ

民生委員が記録を持って関係機関の担当者と状況を話し、引き継ぎ先を相談している画像
【民生委員は個人で抱えず、所属組織や社会福祉協議会・地域包括支援センターなど関係機関へ状況を伝えてつなぐこと、そして対応時は複数で確認し記録を残すことを示しています。】

民生委員が高齢者から金銭管理を頼まれた時は、「何を頼まれているか」「一時的か継続的か」「緊急性があるか」を確認します。

緊急対応が必要な場合でも、一人で判断せず所属する組織で共有します。

実際に対応する時は、複数人で内容を確認し、記録を残してください。

継続してお金の管理が必要なら、社会福祉協議会・地域包括支援センター・市町村などの関係機関へつないでください。

金銭管理そのものを引き受けなくても、本人がなぜ預けたいのかを聞くと、困りごとに合う相談先を考えられます。

民生委員が金銭管理を頼まれた時の対応確認シートをプレゼント

民生委員が訪問中に対応確認シートの項目(現金・通帳・支払い・緊急性)を本人と一緒に記入している画像
【訪問中に確認すべき「一時的か継続的か」「今日対応が必要か」「誰へ相談するか」などを対応確認シートに記録しておくことで、引き継ぎや所属組織への相談がスムーズになることを示しています。】

高齢者から急に「通帳を預かってほしい」「このお金で支払いをしてほしい」と頼まれた時に、その場で確認した内容を書き込める「民生委員が金銭管理を頼まれた時の対応確認シート」を用意しました。

実際の訪問中は、本人の話を聞きながら確認事項をすべて覚えておくのは難しいです。

「一時的か継続的か」「今日対応が必要か」「誰へ相談するか」まで確認する必要があるからです。

今回のシートには、現金・通帳・支払い・買い物などを項目別に記入する欄があります。

緊急性や民児協への相談内容も書き込めます。

関係機関への引き継ぎ先や本人へ伝えた内容も残しておけます。

さらに、次に誰が連絡するのかも記録しておくと確認しやすいです。

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高齢者から現金や通帳について相談された時に、何を聞くか確認するためにご活用ください。

誰へ相談するか、どこへ引き継ぐかも書き込めます。

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