高齢者の自宅を訪問した時に、「困っていない」「支援はいらない」「もう来なくていい」と言われることがあります。
そのような時は、もう一度声をかけてもいいのか迷います。
特に一人暮らしで以前より生活の様子が変わっていたりすると、心配になるものです。
家族や近所から心配する連絡が入っている時も同じように気になります。
そのような時は、本人の希望を尊重しながら、負担にならない見守り方を考えていきます。
一度断られると、「これ以上訪問すると嫌がられるのではないか」と考えることもあります。
反対に、生活の様子が気になると、「何とか支援を受けてもらわなければ」と焦ることもあります。
このような時はまず、本人が何を断っているのかを確認します。
生活に気になる変化があるのか、もう一度声をかけるとしたら何がきっかけになるのかも考えます。
高齢者に支援を拒否された時は何を断られたのか確認する

「支援はいらない」と言われた時も、すべての関わりを断られたとは限りません。
そこで、本人が何を断ったのかを考えます。
訪問そのものが嫌なのか、紹介された福祉サービスを使いたくないのかを確かめます。
生活の中へ他人が入ることに抵抗を感じる人もいます。
何を断っているかによって、その後の関わり方も変わります。
本人が「何もいらない」と話した時も、その場ですべての理由を聞き出す必要はありません。
「支援はいらない」と言われても、訪問が嫌なのか、支援の話が嫌なのかまでは分かりにくいです。
その際は本人の言葉や反応から、どの話を嫌がっていたのかを考えます。
「何もいらない」の中身を確認する
訪問した高齢者から「自分でできるから大丈夫」「人の世話にはなりたくない」と言われることがあります。
この時は、民生委員との関わりそのものを嫌がっているのかどうかを考えます。
それとも提案された援助を受けたくないのか、も考える必要があります。
たとえば、玄関先で話すことには抵抗がなくても、「家の中には入ってほしくない」と考えている人もいます。
玄関先で話ができても、介護や福祉のサービスを利用する話になると断られる時もあります。
本人自身は「まだ自分でできる」と考えている場合もあるのです。
「自分が嫌われたからもう訪問しない方がいい」とすぐに決めず、本人が何を断ったのかを確認することが大切になってきます。
無理に理由を聞き出そうとすると、次に話せる機会まで失ってしまうことにもなりかねません。
改めてどの話になった時に断られたのかまで思い返すと、本人が受け入れやすい関わり方を考えやすくなります。
本人が断った言葉と生活の状況は別で考える
本人から「大丈夫」と言われた時でも、生活の状況まで以前と同じとは限りません。
以前はよく外へ出ていた人を最近見かけなくなったり、訪問した時の様子がこれまでと違ったりすることもあります。
近所の人から、「最近あまり姿を見ない」と連絡が入る時もあります。
本人が支援を断ったことと、普段の生活に変化がないかを確認することはまた別の話です。
周囲から聞いた話だけで「本人に問題がある」と決めることはできないです。
本人の「大丈夫」という言葉だけで判断せず、以前の様子と現在の状況も合わせて考えていきます。
特に一人暮らしの場合は、近所の人や家族から日常の変化を聞く時もあります。
「本人は大丈夫と言っているのに、近所からは心配する連絡がある」と聞くこともあります。
その時は、断られたことだけで関わりを終えず、本人の言葉と周囲からの情報を合わせて判断します。
一度断られても関わりをすぐ終わらせる必要はない

高齢者から支援を断られた時に、「もう訪問してはいけないのではないか」と考えることがあります。
支援を勧めるのをやめた後も、挨拶や短い声かけができる関係を残せるか考えます。
本人が望んでいない支援を何度も勧めないようにします。
「次も訪問していいのか」と迷った時は、支援を勧めることと関係を続けることを別で考えます。
困った時に本人から話してもらえる関係を続けられるかも確認します。
同じ訪問を繰り返すのではなく、本人が負担に感じていないかも確認していきます。
本人が負担に感じない範囲で、どのくらいの距離で関わるかを決めていきます。
支援を勧めることと関係を続けることは別
福祉サービスを断られた後も、日常の挨拶や短い声かけなら受け入れてもらえるかを考えます。
「サービスを利用しませんか」と繰り返し伝えると嫌がられても、地域で顔を合わせた時の挨拶なら受け入れてもらえることがあります。
また民生委員として何かを利用してもらうことだけを目的にすると、本人との会話が支援の話ばかりになってしまいます。
今は援助を必要としていないと言われても、その後に生活の様子が変われば、改めて本人へ声をかけるきっかけになります。
その時に話しやすい関係が残っていれば、本人が民生委員へ「少し困っている」と話すこともありますので、何より関係を大切にして下さい。
そして無理に支援を勧め続けず、本人から困りごとが出た時に連絡や相談ができる関係を続けます。
訪問を重ねることが本人の負担になっていないか考える
生活が心配だからと何度も訪問すると、相手にとっては「断っているのにまた来た」と感じることがあります。
訪問を続けること自体が目的にならないようにします。
これまでどのくらいの頻度で会っていたのかを振り返ります。
あわせて、本人が訪問時にどのような反応をしているのかも考えます。
玄関先で短く話せるのか、電話であれば話せるのかを確認します。
地域で会った時なら会話ができるなど、話しやすい場面によっても関わり方は変わります。
近所だから頻繁に訪問した方がいいと決めず、これまでの本人との関わり方も振り返ります。
本人の意思を尊重しながら、無理のない範囲で関わりを続けます。
どのくらいの声かけや訪問なら本人の負担にならないのかを確認します。
再び声をかける時は生活の変化をきっかけに考える

支援を断られた後は、「何日後にもう一度訪問すればいい」と一律に決められるものではありません。
次に声をかける時期は、本人の生活や周囲から聞く内容にも、変化があったのかをもとに考えます。
生活の変化に気づいた時は、支援を勧め直すのではなく、今の様子を確認するために声をかけてみるのもいいでしょう。
周囲から新しい話を聞く時は、これまで分かっている状況と照らし合わせます。
以前の様子と比べて、本人へもう一度声をかけるか改めて考えてみます。
以前と違う様子があれば改めて状況を確認する
これまで地域でよく見かけていた高齢者を急に見かけなくなると、何かあったのか気になることがあります。
以前は訪問すると玄関先で話していた人が、最近はまったく応答しなくなったという変化も見られるからです。
その際、一つの変化だけで、すぐに支援が必要だと決めることはできません。
外出する時間が変わっただけということもあり、家族が訪ねてきている時期かもしれません。
以前に確認できていた生活と現在の状況を比べながら、もう一度声をかける必要があるかを考えます。
そして、前回から何が変わったのかを確認し、その内容をもとにもう一度声をかけるか決めます。
家族や地域住民から連絡があった時も考えるきっかけになる
遠方に住む家族から、「最近電話に出ないので気になっている」と民生委員へ連絡が入る時もあります。
地域住民から、「いつも会う場所で最近見かけない」と聞くこともあります。
こうした連絡があった時も、周囲の話だけで本人の生活を決めつけないようにします。
これまで本人から聞いていたことや、民生委員が分かっている状況も合わせて確認します。
また、地域で活動する中で知った本人の情報は、誰にでも話していいものではありません。
民生委員には守秘義務があるため、本人の生活について知った内容は、誰にどこまで伝えるのかを考えて扱います。
家族や近所から連絡があった時は、本人へもう一度声をかけるかを考えるきっかけにもなります。
民生委員だけで支援を受け入れてもらおうとしない

本人から何度も支援を断られると、「自分の伝え方が悪かったのではないか」と考えることがあります。
もう少し説明すれば、福祉の支援を受け入れてくれるのではないかと思う時もあります。
民生委員一人で、本人が支援を受け入れるまで説明を続ける必要はありません。
本人が支援を拒否していても、以前と違う生活の様子が気になる時もあります。
その時は、自分で確認したことと周囲から聞いたことを別で考えて、地域包括支援センターなどへ相談するか決めます。
関係機関へ相談する時は、「支援を拒否している人」とだけ伝えないようにします。
何を断られたのか、現在どのような状況が気になっているのかを伝えます。
気になる状況を一人で抱え続けない
本人から「大丈夫」と言われても、以前との違いが続いていると、「このまま自分だけで見守っていていいのか」と迷うことがあります。
以前との生活の違いが重なっている時や、家族や住民からの連絡が続いている時は、一人で対応を考え続けるのが難しくなります。
このような時は、「本人が拒否しているのに、関係機関へ相談していいのか」と迷うこともあります。
本人の意思を尊重しながら、生活の変化をどう受け止めるか迷った時は、民生委員だけで答えを出す必要はないです。
相談する前に、これまでに分かっている情報を振り返ります。
本人から聞いたこと、自分が訪問時に確認したこと、周囲から聞いた情報を別で書き出しておきます。
それでも判断に迷う時は、地域包括支援センターなどの関係機関へ相談します。
地域包括支援センターへ相談した後、必要に応じて自治体の高齢者福祉を担当する窓口へつながる時もあります。
民生委員だけで答えを出そうとせず、判断に迷った時に相談できる関係機関を把握しておきます。
相談する時は本人が断った内容と気になる状況を伝える
関係機関へ相談する時に、「支援を拒否する高齢者がいます」とだけ伝えても、現在の状況は十分に伝わりません。
いつ訪問したのか、本人がどのような言葉で断ったのかを伝えます。
あわせて、何を勧めた時に断られたのかも伝えます。
次に、以前と違う様子がなかったかを振り返ります。
あわせて、家族や地域住民からどのような連絡が入ったのかも把握しておきます。
本人が話したことと民生委員が実際に確認したことを分けて伝えると、相談を受ける側にも状況が伝わりやすくなります。
「支援を受けないことが問題だ」と決めず、現在どの部分について判断に迷っているのかを伝えます。
民生委員だけでは判断しにくい部分を伝え、次にどう対応するかを関係機関と話し合います。
支援を受け入れた後は困りごとに合う相談先へつなぐ

本人から「少し相談したい」「手伝ってほしい」と話が出た後は、支援を拒否されていた時とは確認する内容が変わります。
本人が支援を受け入れた後は、何に困っているのかを聞き、その内容に合う相談先を考えていきます。
身寄りのない高齢者から具体的な相談を受けた後に、どこへつなげばいいのか全体を確認したい場合は、民生委員が身寄りのない高齢者から相談を受けた時のつなぎ方で確認できます。
民生委員が支援を拒否する高齢者に関わる時の確認シートをプレゼント

高齢者から支援を断られた後に、「次に何を確認しておけばいいのか」と迷った時に使える確認シートを用意しています。
本人を説得するためのものではなく、訪問した時に聞いたことや、その後の生活の変化を書き残すためのシートです。
前回の訪問から何が変わったのか、家族や地域住民からどのような連絡があったのかも確認できる内容にしています。
次に本人へ声をかける時や、地域包括支援センターなどへ相談する前の確認にも使えます。
支援を断られた直後だけでなく、次の訪問を考える時に、本人の言葉と生活の変化を確認するために使えるシートです。
確認シートには、以下の内容を記入できるようにしています。
- 本人が断った支援を書き出す欄
- 本人がその時に話した内容を記録する欄
- 訪問時に気になった生活の変化を確認する欄
- 家族や地域住民から入った連絡を記録する欄
- 前回から変わったことを確認する欄
- 次に声をかける時に確認したい内容
- 関係機関へ相談する時に伝える内容
- 民生委員だけで考え続けていないか確認する欄
以下メール登録フォームより申請頂く事でいきいきつながる会の公式LINEが届きます。
そちらから公式LINEに申請頂き、
民生委員 支援拒否確認シート
とメッセージをお送り下さい。
折り返し今回のプレゼントを受け取れる流れにしています。
支援を断られた後にもう一度訪問するか考える時や、関係機関へ相談する前に、確認した内容を書き出すためにお使いいただけます。
