一人暮らしの高齢者から「入院するので保証人になってもらえないか」と頼まれたり、施設への入所を控えた方から「身元保証人をお願いできないか」と相談されたりすることがあります。
その時、民生委員としてどこまで対応すればいいのか迷うことも多いです。
民生委員の役割と保証人の役割は異なり、民生委員が身元保証や契約上の保証まで引き受けることは通常の役割に含まれていません。
「保証人にならない」と伝えた後も、そこで相談を終える必要はありません。
まずは、入院や施設入所など何の手続きで、誰から何を求められているのかを確かめます。
次に、家族や親族の状況と緊急連絡先について聞き取っておきます。
あわせて、入院後や入所後の生活など、保証人以外に困っていることがないかも確かめます。
聞いた内容をもとに、今困っていることに対応できる関係機関へつなぎます。
ここからは、民生委員が保証人を頼まれた直後に、何を確認し、どこへつなぐのかを順番に確認していきます。
民生委員は保証人になれる?まず役割を確認する

民生委員は地域住民の相談を受け、必要な支援や福祉につなぐ役割があります。
身元保証や契約上の保証まで民生委員が担うことは、通常の役割に含まれていません。
地域で長く関わっている方から頼まれると、断りにくく感じることもあります。
民生委員は地域住民を支援へつなぐ立場
民生委員は厚生労働大臣から委嘱され、担当する地域で住民から生活上の相談を受けています。
相談内容に応じて、必要な援助につないだり、関係機関と連携したりする役割です。
民生委員自身がすべての手続きを代行せず、本人の状況を聞いたうえで必要な窓口へつなぎます。
身元保証人になることまでが民生委員の役割ではない
病院の入院手続きや施設入所で「身元保証人になってほしい」と言われても、契約上の保証や金銭に関する責任まで民生委員が負うことは通常の役割に含まれていません。
「名前を書くだけ」「連絡先を出すだけ」のように聞こえても、病院や施設によって求められる役割は違います。
民生委員が保証人を頼まれた時は何の保証か先に確認する

頼まれたらすぐに引き受けるか断るかを決めず、まず誰から求められたのかを本人に確かめます。
続けて、何の手続きで何を求められているのかも確認しておきます。
「保証人」という言葉だけで相談先や対応を決めず、入院なのか施設入所なのかを確認してから、必要なことを聞き取ります。
入院時に保証人を求められている時
急な入院の場合、本人も病院からの説明を十分に把握していないことがあります。
まず、どの病院へいつ入院するのかを確認します。
あわせて、病院からどのような説明を受けたのか、緊急連絡先で困っていることがないかも聞き取ります。
本人が医療ソーシャルワーカーや患者相談担当など、病院の相談窓口へ「保証人がいない」と伝えられるかどうかも確認しておきます。
本人だけでは伝えにくい時は、病院へどう伝えると話が通じやすいのかを本人と一緒に考えます。
施設入所で身元保証人を求められている時
施設から説明を受けて不安になり、民生委員へ相談する時は、まず施設が身元保証人に何を求めているのかを確認します。
連絡先や入所後の調整、契約上の同意など、具体的に何を求められているのかも施設側へ聞いておきます。
施設側に確認した内容は本人にも伝え、身元保証人に何を求められているかを踏まえて次の相談先を考えます。
民生委員へ身元保証を頼む背景まで確認する

本人が「保証人がいない」と言っても、親族がいないのか、連絡を取れないのか、それとも頼みにくいのかで話は変わってきます。
親族と疎遠になっていたり、遠方に住んでいてすぐに頼めなかったりすることも多いです。
また、兄弟姉妹も高齢になり、保証人を頼みにくくなっている時もあります。
さらに「保証人がいない」という相談でも、話を聞くと緊急時の連絡や入院後の生活、日常生活の支援で困っていることがあります。
民生委員は家族関係や事情について本人を責めることなく、現在連絡できる人や頼める人がいるかを確かめます。
続けて、保証人以外に何に困っているかも聞いておきます。
家族や親族へ頼めない理由を確認する
「身寄りがない」と聞いても、すぐに家族がいないと決めつけないようにします。
親族の有無や連絡のしやすさに加え、親族が遠方に住んでいるなどの事情も聞いておきます。
親族について確認する時も、本人を責めるような聞き方は避けます。
保証人以外の困りごとも聞いておく
話を聞いているうちに、保証人とは別に、生活面や手続きで困っていることが分かる時もあります。
たとえば、入院後の生活を誰が支えるのか、施設との連絡を誰が行うのかで迷うことも多いです。
ほかにも、普段の買い物や通院を一人で続けるのが難しくなっていることもあります。
さらに、介護について誰へ相談すればいいのか分からなかったり、お金の管理や手続きを一人で行うことに不安を感じたりする人もいます。
最初は保証人についての相談でも、話を続けるうちに生活や手続きについて別の困りごとが分かる時があります。
保証人以外にも生活や今後の支援について相談を受けている時は、民生委員が身寄りのない高齢者から相談を受けた時のつなぎ方もあわせて確認できます。
民生委員が身元保証人を引き受けずにどこへつなぐか

身元保証人を引き受けない時も、最初から身元保証事業者だけを案内せず、本人が今何に困っているのかを聞いたうえで、どこへ相談するかを考えます。
現在関わっている病院や施設があれば、まずその相談窓口へ状況を伝えます。
生活面でも困っている時は、市町村や地域包括支援センターなどへ相談できるかも考えます。
入院の相談なら病院側と地域の相談先へつなぐ
入院の場面では、民生委員が本人と一緒に、保証人がいないこと、家族へすぐ連絡できない状況を病院の相談担当へ伝えられるか確認します。
本人から「保証人がいない」「家族へすぐ連絡できない」と伝え、医療ソーシャルワーカーなど病院の相談担当に対応方法を聞いておきます。
退院後の生活でも困っていれば、地域包括支援センターや市町村へ相談できるかも考えます。
施設入所の相談なら施設側と地域の支援機関へつなぐ
施設への入所では、まず施設側が身元保証人に期待する具体的役割を確認します。
施設の説明を踏まえ、本人や家族だけでは対応が難しい場合は、地域包括支援センターや市町村の高齢者福祉担当などの関係機関へつなぎます。
すでに社会福祉協議会などと関わっている時は、入所について相談していることを担当者にも伝えられるか確認します。
保証人を断る時も高齢者との相談を終わらせない

「民生委員として保証人を引き受ける役割ではない」と伝えた後も相談は続けられます。
まずは「何の手続きで困っているか」「病院や施設からどのように説明を受けたか」を本人に聞きます。
聞き取った内容をもとに、病院や施設、地域包括支援センターなどへつなぎ、その後も必要に応じて相談を続けます。
できないことを伝えてから困りごとを聞く
「あなたしか頼める人がいない」と言われる場面では、曖昧な返事を避けて民生委員としてできないことをはっきり伝えます。
できないことを伝えた後は、「誰から言われましたか」「ほかに困っていることはありますか」と話を続け、次の相談先を考えるために必要なことを聞き取ります。
一人で抱えず関係機関との連携へ切り替える
民生委員だけですべてに対応せず、本人が必要な援助を受けられる関係機関へつなぎます。
入院の相談では、医療ソーシャルワーカーなど病院の相談担当へ困っている内容を伝えておきます。
施設入所の相談では、施設や地域包括支援センター、市町村の高齢者福祉担当などへ相談内容を伝えておきます。
相談内容によっては、社会福祉協議会にも今困っていることを伝えられるか考えます。
民生委員が保証人を引き受けなくても、本人の困りごとを聞き、必要な支援先へつなぎながら相談を続けられます。
民生委員が保証人を頼まれた時の確認シートをプレゼント

高齢者から突然「保証人になってほしい」と頼まれた時、その場で何を聞けばいいのかを全部思い出すのは難しいです。
そこで、保証人について確認した内容を書き出せる「民生委員が保証人を頼まれた時の確認シート」を用意しました。
何について保証人を求められているのか、病院や施設からどのように説明されたのかを記入できます。
家族や親族へ連絡できるかも書き込めるようにしています。
このシートは保証人を引き受けるためのものではなく、本人に確認した内容を書き留め、次の相談先を考える時に使います。
相談を受けた日や、誰から何を求められたのかも書き出せる内容です。
さらに、今困っていることや関わっている支援者、次に相談する関係機関なども記入できます。
以下よりメール申請頂くと、いきいきつながる会の公式LINEがメールの中に書かれています。
公式LINEへ申請後、【民生委員 保証人確認シート】とメッセージをお送りください。
折り返し「民生委員が保証人を頼まれた時の確認シート」をお送りします。
手元に置いておけば、保証人を頼まれた時に何を聞くか、次にどの関係機関へつなぐかを一つずつ確認できます。
